三菱電機で2014年から17年の間に、5人が脳疾患や心疾患で過労による労災認定を受け、そのうち二人が自ら命を絶っていたそうです。
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5人は20代から40代で、いずれもシステム研究や開発に携わっていたということ。
この内、3名には「裁量労働制」というものが適用されていたそうです。
月80時間前後の残業が続いていた人、
月100時間を超す残業が続いていた人もいました。
というと、
「な~んだそれくらい自分だってしてるよ」
と思う方もいるかもしれませんが、
記録に残っているのがその程度なので、
たぶん実際にしているのは
もっと長い時間だったんじゃないかと思います。
裁量労働制とは?
実際の労働時間がどれだけなのかに関係なく、
労働者と使用者の間で 「◯◯時間働いた」
と決めて賃金を支払う仕組み。
全ての人が適用するのではなくて、
業種が決められています。
今回起こった、システムエンジニアやデザイナーなど、
ある意味何時間働いたかで
結果が決めにくい職業が対象。
逆に「裁量労働制」の対象になりにくい職業といえば、
例えばスーパーのレジ打ちの仕事や
会社での入力業務の仕事。
裁量労働制のお落とし穴
実は私もこの「裁量労働制」の形で働いた経験があります。
自分と会社との間の同意で「△△時間まで残業がつかない」が、
「ある一定の額」は毎月必ず支払われる、というものです。
つまり残業がゼロでも、△△時間でも同じ収入になります。
裁量労働制の最初の頃
私がこの形態になった時の上司は非常に部下に配慮のある人でした。
残業手当を気にするあまり、
私が取り組みたい仕事に取り組めず
家に帰らなければならない状況
がありました。
そのため、その形態に切り替えてくれたのです。
日によっても違いますが、さして多い残業ではなく、
時間を気にせずやりたいことができたので、
非常に気が楽でした。
実際△△時間を超える残業時間になったことはなかったと思う。
裁量労働制で上司が替わって
職務分担の配慮も何もなく、
部門内の大半の仕事が私に回されていきました。
通常通りに残業がつく人は、ほとんど残業がなく定時で帰るか、
ヘタをすると仕事もないのに会社に残り、
カラ残業をつけていたりしている始末。
私は業務改善をしても、しても、
増えていく仕事に残業が減ることがなく、
休みの日も家に持ち帰って仕事をしていました。
もちろん休日分は残業時間数として記録には残りません。
このように、裁量労働制は良い面に働く場合もあれば、
環境によっては非常に危険な結果ももたらします。
なぜ辞められないのか?
私はその後、自分の心と体の健康を守るため、
50歳にして会社を辞める決意をしました。
この年齢で会社を去るのは、転職等考えると非常に危険なことです。
ではそれでもなぜ会社を辞めたか?
元気でなくては何も始まらない
私も30年近く会社員をしてきているので、いろんな人を見てきています。
心の病気になった知人が何人もいます。
無事回復し、社会に復帰した人たちもいますが、
それきり社会復帰ができなくなっている人も複数います。
直ることができた人
直ることのできた複数名の人が言っていたのが
「ある日突然 ブワァーと涙がこぼれてきた」
まさか自分が心の病気になるとは思っていなかったから
「まだ大丈夫だろう」と思っていた。
また社会復帰できたと言っても、
復帰できるまでには長い時間がかかったと言っています。
社会復帰ができていない人
元々バリバリのキャリアウーマン
結婚し、専業主婦として過ごしています。
私も彼女がその病気になっていった過程をある程度知っています。
最初は激ヤセしていきました。「お昼を食べる時間がない」と言っていました。
なぜ彼女はあの時に辞められられなかったのか。
彼女を辞めさせられなかったのか、と私も後悔が残っている。
もう一人の人
最後に彼女に会った時、何か様子が変だなと言う感じはした。
でも何かはわからなかった。
彼女もやはり激やせしていた。
ある日外出先で、何かを叫び、倒れるという状態になったらしい。
その後は実家に帰り、
ずっと家族に面倒を見てもらっている状態。
私は辞めることができた
そう、その状態になるともはや正しい判断なんて
できないんです。
心も体も疲弊しまくっているので、
普通の状態だと「辞めればいいのに」と思うのが、
辞めるという正しい判断ができなくなってるんです。
膨大な残業をしているので、
当然転職活動などできません。
時間がない!
追い詰められている!
その上「職もないのに辞める」という
とんでもない決断を迫られている。
この思い切った決断は、心身ともに健康状態でなくては、もはや不可能!!
でも、病気になってその後の人生の多くを失ってしまった人を知っているので、
病気になったらどうなるかを見てきた。
元気でいさえすれば、また元気な心で何らかの道を考えることができる!
と決断し、辞めることができました。
それまで2回退職を申し出て、引き止められていました。
3度めの正直じゃないけれど、
もう譲れませんでした。
そして驚くことに、この全てが起こったのは上司が変わってからの、
わずか半年あまりです。
劇的な変化が起きた!
会社を辞めて、
1日目:丸1日寝て過ごしました。
2日目:少し起きてきて、家のことをしたり、これからどうするか考えたりしました。
「なぜか、体調がいい????」
3日目:「あきらかに体調がいい!!!!」
長いこと不調だった体調が、劇的に良くなったんです!!!
自分でもこれは想像していなかった!
辞める前は
「数ヶ月は何もせず、ゆっくりしないと、
体調も気持ちも元気にはならないだろうな」
と思っていた。
体調が良くなったら、気持ちも元気が出てきた!
この先どうしようか、前向きに考えられるようになりました。
この間、わずか3日!!
当然3日続けて会社を休めることなどなかったので。
今、元気になった私が、
あの時の会社にいた頃の状況を考えると、
「あのままいたらどうなっていただろう」とゾッとします。
そう、元気でないと、その判断もできなくなるんです。
退職代行サービスというものもある
とはいっても、会社を辞めるというのは
非常に勇気とエネルギーがいることだと思います。
場合によっては引き止められたり、
なかなか辞めさせてもらえず、
すんなりいかない場合も多いと思います。
私も今回初めて知ったのですが、
今は「退職代行サービス」というものまで存在するんですね。
この「退職代行サービス」というのは、
会社を辞めたい人の代わりに、
その会社の人事に連絡を取ってくれ、
退職手続きを円滑に進めてくれるというサービスです。
「もう1日たりとも会社に出るのは精神的に不可能」という人が、
会社に1日も出社せず郵送で退職の手続きができる場合もあるそうです。
三菱電機の過労死!なぜ辞めない!その理由と裁量労働制の問題点! まとめ
自分の心と身体が何よりも大事!
それさえあれば、後は何とかなります!
疲弊して疲れきった心では考えられないことも、元気があれば考えられる。
行動できる。
もしもひどい状況にある人がいたら、無理をしすぎず
思い切って会社を辞めるのも一つの方法だと思います。
では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!
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