不協和音/田中圭&中村倫也のドラマのキャスト!原作あらすじネタバレ

不協和音/田中圭&中村倫也のドラマのキャスト!原作あらすじネタバレ
 

田中圭さんと中村倫也さんの共演

「不協和音 炎の刑事 vs 氷の検事」
スペシャルドラマ化(されます!

原作は大門 剛明さんの小説「不協和音」
 
 
原作を読んでみたのですが、
田中圭さんと中村倫也さんのキャスティングがぴったり!

ではドラマのキャストと、原作からあらすじネタバレを!

※ここでは原作をもとに、ドラマですでに分かっている部分は
ドラマに合わせて書いていきます。

 
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目次

不協和音/田中圭&中村倫也のドラマのキャスト

川上 祐介(かわかみ・ゆうすけ)(32)田中 圭

不協和音/田中圭&中村倫也のドラマのキャスト!原作あらすじネタバレ

月島東署刑事課の刑事

祐介が小学校の頃、

刑事だった父・大八木宏邦が
自白強要で冤罪(えんざい)を生んだと疑われ
突然亡くなった。

その後、母方の祖母に引き取られ苗字は「川上」に。

高校卒業後はノンキャリの警察官に。
父を尊敬している

唐沢 真佐人(からさわ・まさと)(31)中村 倫也

不協和音/田中圭&中村倫也のドラマのキャスト!原作あらすじネタバレ

東京地検の検事
祐介の生き別れの弟。

父が亡くなり、祐介が祖母に引き取られた際、

祖母には、兄弟二人を育てるだけの、
金銭的な余裕がなかった。

そのため、弟の真佐人は父の友人で、子供のいなかった
高等検察庁の元検事長・唐沢洋太郎の養子となった。

東京大学を卒業。エリート中のエリート。

亡くなった父を軽蔑(けいべつ)している?

宇都宮 実桜(うつのみや・みお)(28)趣里

不協和音/田中圭&中村倫也のドラマのキャスト!原作あらすじネタバレ

弁護士

クライアントの権利を守ることが何より優先。
祐介とは犬猿の仲
 
 

安田 富夫(やすだ・とみお)(53)相島 一之

不協和音/田中圭&中村倫也のドラマのキャスト!原作あらすじネタバレ

月島東署の署長

捜査においては慎重派
 
 
 

有村 秀人(ありむら・ひでと)(41)板倉 チヒロ

不協和音/田中圭&中村倫也のドラマのキャスト!原作あらすじネタバレ

月島東署刑事課の係長

川上祐介の上司。
 
 
 

小寺 順平(こでら・じゅんぺい)(56)杉本 哲太

不協和音/田中圭&中村倫也のドラマのキャスト!原作あらすじネタバレ

警視庁捜査一課の警部補

経験値の高い刑事。
被疑者から自白を取るためなら手段を選ばない。
 
 

平松 樹生(ひらまつ・みきお)(28)笠松 将

不協和音/田中圭&中村倫也のドラマのキャスト!原作あらすじネタバレ

川上祐介が、以前勤めていた月島東署佃川交番の巡査
 
 
 
 

加藤 博行(かとう・ひろゆき)(58)生瀬 勝久

不協和音/田中圭&中村倫也のドラマのキャスト!原作あらすじネタバレ

月島東署佃川交番の巡査長

面倒見がよく、人情にあふれた人物。
川上祐介も、佃川交番にいた時代から世話になっている。
 
 
 
 
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不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 病院経営者の妻の失踪

川上祐介(田中圭)は、取り調べ補助として被疑者と向き合っていた。

取調官は小寺 順平(杉本 哲太)
警視庁捜査一課の警部補、ベテラン刑事だ。

だが、被疑者は口を割らない。
 
 
祐介は「テラさんでも無理なら、仕方ないって安田署長が言ってましたよ」
と言う。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 病院経営者の妻の失踪

事件は一か月ほど前に起きた。

女性が失踪したのだ。
 
 
マンションの部屋からは叫び声が聞こえ、
現場には大量の血痕があった。

そしてその血痕は失踪した女性のものと一致した。
 
 
失踪したのは城崎 早苗(じょうざき さなえ)、
元看護師
だ。

開業医の夫から、日頃から DVを受けていた。
住んでいた部屋は、友人の部屋。

夫から逃げていたのだ。
 
 
被疑者は夫の城崎 知也(じょうざき・ともや)(岡部 たかし )だ。
 
 
城崎の病院に出入りしている、検体集配会社のスタッフ、
片桐 寛市
(かたぎり・かんいち)(古河 耕史)が、

城崎の自宅で、返り血を浴びたと思われる、シミのついた服の城崎が、
車のトランクに何かを詰め込み、走り去るのを目撃している。
 
 
城崎の車は、焼け焦げた状態で山中で発見された。
捜査本部は遺体遺棄事件として、逮捕に踏み切ったのだ。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 5年前の医療事故

実は、城崎は5年前にも、逮捕されかかっていた 。
医療ミスだ。

中村文子という女性が胃の手術を受けた後に、
急変し、亡くなったのだ 。

だが結局、その時は立件には至らなかった。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 城崎の自白

城崎がやってきた。
取り調べが始まる。

が、どうしても城崎は吐かない。
薄ら笑いさえ、浮かべている。
 
 
小寺が言った。

「私には分かりますよ、城崎さん」
 
 
そして、ある写真を城崎に見せた。
若い二人が仲良く肩を組んで微笑んでいた。
 
 
早苗さんがまだ、あなたを深く愛していたということです。
早苗さんはこの写真を今も、大事に持ち続けていたんです」

「あなたも、そうなのではありませんか 」
 
 
城崎が鼻をすすり始めた。

「私がやりました」

「どうして奥さんの居場所がわかったんですか」

「マンションの住所が書かれたメモを見つけたんです」
 
 
メモの住所に向かった城崎、そこで妻と言い合いになった。
そしてナイフで刺してしまった。

遺体は山中に埋めた。
夜だったので場所はよく覚えていないと言う。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 小寺の嘘

「よく吐きましたね~」
「ちょっとだけ嘘を混ぜたんだ」

「?」

「あの写真は奥さんが持ってたんじゃない。
実家から借りてきたんだ。愛してなんかいないよ、あんな DV 野郎
 
 
外の空気を吸いに出た二人。

ふと、小寺が「お前、俺とどこかで会ったか?」と聞く
「いえ、初めてです」

「… あの人は、ちっこかったな」と小寺が呟いた。
 
 
祐介は、背の高さ以外、父に似ているのだ。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 大八木捜査法

ところが、翌日から城崎は黙秘を始めてしまった。
何かを吹き込まれたのか?

そこに担当弁護士がやってくる。
宇都宮実桜(趣里)という女性だった。
 
 
彼女は「大八木捜査法で自白させたのでは?」と、
祐介に食ってかかった。

「大八木捜査法」とは、
刑事だった祐介の父・大八木宏邦(丸山智己)を揶揄(やゆ)する言葉だ。
 
 
祐介が小学校の時、

刑事だった父は、冤罪(えんざい)を起こしたと、世間から責められ、
ほどなく病気で亡くなっていたのだ。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 不起訴

さらにまずいことが起こる。
担当していたベテランの検事が、

脳梗塞(のうこうそく)で倒れたのだ。
 
 
何としても遺体を見つけなければならない。

祐介は、検体集配会社のスタッフ、

片桐 寛市(かたぎり・かんいち)(古河 耕史)に
もう一度話を聞くが、収穫はなかった。
 
 
遺体の捜索が続けられていたが、見つからない。
 
 
そしてとうとう、 東京地検から連絡が入る。
「不起訴」だ。

それを決めたのは、倒れた検事の後任の、若い検事だという
 
 
納得のいかない、祐介と上司の有村(板倉 チヒロ)
「その検事、名前は何て言うんですか」と聞く有村。

警長の安田(相島 一之)が答えた。
「唐沢だ。唐沢 真佐人(まさと)」

東大出のエリートだそうだ。
 
 
祐介は凍りついた。
まさか ・・・

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 再会

祐介はそのまま飛び出した。
向かったのは、東京地検。

唐沢 真佐人の部屋に行った。
 
 
唐沢 真佐人は「不起訴」にした理由を淡々と述べはじめた。

「おかしいと思ったのは、
妻が隠れていたマンションの住所のメモが、自宅にあったということ。

もう一つ、城崎はマンションの鍵が開いていたと言っている。
だが強引に開けた後があり・・・

 
 
祐介が遮(さえぎ)った。

「20年ぶりか」
「21年ぶりですね」
冷たい目をしたまま言う。

生き別れた弟だった。
 
 
「仕事がありますので、この辺で」と名刺を差し出した。
 
 
真佐人と祐介は年子の兄弟だった。
兄と弟というより同級生のような感覚だった。
 
 
父が亡くなった後、祐介は母の実家に預けられた。
「川上」の姓
は母の旧姓だ。

母は若くして亡くなっていた。

だが、年金暮らしの祖母には、子供二人の面倒を見るほどの、
金銭的なゆとりはなかった。
 
 
そのため、父の友人であり、子供のいなかった
検事の唐沢洋太郎が、弟の真佐人を養子にしたのだ。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 父の冤罪事件

父が冤罪を起こしたと言われた、その事件。

西島茂という人物が、人の命を奪ったとして有罪になった。

しかし数年後、服役中の西島は
「取り調べの際に無理やり自白させられた」と訴えた
のだ。

そして、新たな証拠から、西島の冤罪(えんざい)が証明されたのだ。
 
 
名刑事と呼ばれた父は、
冤罪(えんざい)を生んだ刑事として、世間からバッシングを受けた。

 
 
真犯人は不明のままだ。

父は体調を悪化させ、そのまま亡くなってしまった。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 尾行

携帯が鳴った。
小寺に呼び出された。駅前だ。

小寺の車の隣には、有村の車があった。

有村の車が出て行った。
有村は城崎を尾行しているのだ。
 
 
「今日、匿名で警察に電話がかかってきた。公衆電話だ。
『事件現場のマンションで怪しい車を見た 』と。

詳しくはまた電話するとのことだ 」
 
 
小寺が「おいでなすったか。
片桐 寛市・・・こいつを尾行する」と言う。

困惑する祐介。片桐はこの事件の証人だ。
 
 
片桐の車は、一旦自宅の方に向かったが、
その後、意外な道をたどる。
 
 
「おかしいと思わなかったか?匿名の電話だ。

なぜもっと早く、連絡しなかったのか。
なぜこのタイミングだったのか

と小寺。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 中村文子の遺族

「5年前の城崎の医療ミスで亡くなった、中村文子。

たった一人の遺族だった、お母さんは先日亡くなった。
が、正確にはもう一人、遺族と呼べる人物がいた

と小寺が話し出した。
 
 
片桐の車がコンビニの駐車場に止まった。

祐介は、道の左端に車を寄せた。
小寺が警察本部に連絡を入れた。
 
 
車を降りた片桐は、コンビニではなく細い道へ入っていく。

「よし行くぞ、川上」

ここは、事件現場のすぐそばだった。
片桐は電話ボックスへと入った。
 
 
小寺が先ほどの、話の続きをし始めた。

中村文子の遺族の話だ。
 
 
「中村文子さんには、結婚を考えている、
だいぶ年上の恋人がいた。

お母さんの話では、その男の名前は
片桐 寛市。

覚えているか?
城崎は、早苗さんのいるマンションの住所のメモを見つけた
と言っていた。

不自然だと思わないか?

そしてマンションの鍵
針金を入れて、強引に開けた跡があった」
 
 
祐介は考えた。

・・・そうだ。城崎の家にメモを置くおくことができる人間・・・
片桐くらいだ。

 
 
片桐の電話が終わった。

片桐を、前と後ろから挟み込んだ、祐介と小寺。

「今、警察本部へ電話をされてましたね?片桐さん
「今日、目撃情報をくれたのもあなただったんですね」

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – もう一人の犯人

5年前の医療事故。
 
 
事故の後、片桐は検体集配の会社に転職した。

文子の手術について調べるためだった。
 
 
責任者は城崎だったが、直接ミスをしたのは
看護師だった城崎早苗
だと分かった。

そして、それだけではなかった。
彼らは文子のことなど、覚えてさえいなかったのだ。
 
 
城崎の DVに耐えている早苗に、片桐は家出するように勧めた。

城崎は、妻の家出は、友人にそそのかされたと信じていた 。
その怒りが、奥さんに向かうことは明らかだった。
 
 
そして、片桐は、城崎の自宅に、住所を書いたメモを置いたのだ。

事件の日、片桐は城崎よりも先回りし、
マンションの鍵を開けておいた
のだ。

片桐は、転職する前は、長くセキュリティ会社に勤めていた。
 
 
城崎早苗の遺体は発見された。
片桐は、あの夜、城崎の車を尾行していたのだ。
 
 
取り調べは終わった。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 真佐人

小寺が言う。

「うちの捜査一課係長が言っていた。
地検が『不起訴にするが捜査は続けて欲しい 』と頼んだそうだ。

この事件、現場でも有罪に持ち込める可能性は高い。
だがそれでは、背後に隠れた犯人を、あぶりだすことができない。

だから、あえて不起訴にして、泳がすってな
 
 
小寺は舌打ちをし、
「くそ生意気に・・・あの若造が」 といった。
 
 
—–” 気になるのは、このメモです” 真佐人の言葉が浮かんだ。
 
 
「ちょっとトイレに」とトイレに駆け込んだ祐介

ポケットから、くしゃくしゃになった、
真佐人の名刺を取り出した。

電話をして、会うことにした。
 
 
「何の用ですか、川上巡査部長」

真佐人は事件について、補足説明を始めた。
 
 
「どうでもいいが、俺に向かって敬語はやめろ、真佐人」

真佐人はニヤリとし、
「わかった。これでいいか?アニキ」
と言った。
 
 
祐介は「あれからどうしていた?」と聞いた。

養父の唐沢陽太郎の影響で、検事になったのだという。
 
 
「それで何の用だ?アニキ」

祐介は、以前押しかけてきたことを謝ろうと思っていた。

が、出てきた言葉は
「何でもない。調子に乗んなと言いに来た」だった。

「はあ?なんだそりゃ」
 
 
祐介は背を向けて歩き出す。
まあいいさ。また会うだろうし・・・。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 連続放火事件

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 丸山建業の放火事件

大企業「丸山建業」の倉庫が放火された。

被害は大したことはなく、
けが人もいなかった。
 
 
祐介は上司の有村とともに、
所有者の丸山(木下 ほうか)に話を聞きに来た。

家は豪邸だった。
 
 
「困った奴がおるもんですなぁ」
「 ええ、でも犯人の身柄は既に押さえてあります」
 
 
三津谷 研太(みつや・けんた)(川島 潤哉)という無職の男だ。

火事現場から出てくるところを、
通行人が目撃していた。

目撃者は、三津谷と顔見知りだった。
以前、同じ場所で日雇い労働をしていた経験がある。
 
 
「一連の事件も、そいつですか」
「それはまだ、なんとも」

周辺では、ここ一か月足らずの間に、
8件も放火事件が起きている。

幸い、けが人は出ていない。
 
 
丸山社長は

「あの倉庫には、秘蔵の酒が置いてありまして・・・
女房に飲むのを止められてましてね。

時々こっそり、あそこに行くんですよ」

と笑った。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 三津谷 研太

丸山の家を出て、車の中で話をしている有村と祐介
 
 
三津谷のの目撃者は、久保征治というホームレスだった。

周辺の聞き込みを行った時に、

久保が三津谷が、丸山建業の塀を乗り越え、
出てくるの目撃していた。

三津谷とは同じ日雇いで働いていたことがあり、
顔をはっきり覚えていた。
 
 
三津谷が犯行に使ったとみられる
灯油やライターなども押収されている。

しかも、三津谷は少年時代にも放火で補導歴がある。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 事件の担当

所に戻ると、祐介は安田署長に呼び出された。

三津谷の取り調べを任された。
 
 
「お前は三津谷が連続放火の単独犯だと言ってたな?
連続放火まで認めさせたら大したもんだ」

初めて任された重要事件だ。やるしかない。
 
 
三津谷が取り調べにやってきた。

何を聞いても、あくびをしたり、
ボリボリと腕をかいたり、何も答えない
 
 
「最近発生している連続放火、あれもあなたがやったんですか」

やはり、あくびをするだけで、何も答えない。
 
 
少しして
「俺はやってねえ」といった。

はっきりと否定した。
 
 
「じゃあ、今回の件もやっていないんですか」

これには何も答えない。

まあいい。
 
 
くしくも、今回の事件の担当検事も真佐人だ。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 三津谷の絵

祐介は丸山建業の火事の現場に向かった。

「なぜこんなところに、侵入して火をつけたのか。
せいぜい丸山社長の秘蔵の酒が台無しになる程度だ」

 
 
「何やってるの?」

若い女性が歩いてきた。
弁護士の宇都宮 実桜(みお)(趣里)だ。
 
 
「久保さんの証言聞いて、おかしいと思いませんでしたか。

久保さんは午後11時過ぎに、塀を乗り越える三津谷さんを見た。
火の手が上がったのは午後11時半に近かった。

20分もタイムラグがあります」
 
 
だが、久保は正確な時間を覚えていたわけではない。
「それくらいの時間」程度だ。

また、一気に燃え上がるとも限らない

誤差はあり得る。
 
 
「だいたい川上さん、あなたは三津谷さんについて
どれだけ調べてるんですか

 
 
三津谷の親は会社を経営していた。
子供の頃は裕福だったらしい。

その少年時代から放火をし、
少年院送致寸前だった。
 
 
三津谷の父の経営する会社はつぶれてしまい
父は求人を探し、仕事をするようになった。

それでも三津谷は「自分は夢を追うんだ」と言って
美術系のカルチャーセンターに通って
いた。

しかし芸術の芽はでず。。
 
 
父親は苦労がたたり、若くして亡くなった 。
 
 
三津谷は自称画家

が、実際には、派遣先の化学薬品工場をクビになった後は、
アルバイトと日雇いの日々だ。
 
 
「川上さんは三津谷さんの絵を、見たことがあるんですか 」

「事件と何の関係がある?」
 
 
実桜がスマートフォンを取り出した。

初老の男性が、ゴツゴツとしたタッチで描かれていた。

「事件自体とは関係ないです。
でも被疑者のことを知る、手助けにはなるんじゃないですか」

 
 
実桜は、三津谷の絵のデータを入れた USBメモリ を差し出した。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 苦戦

署に戻ると、安田署長に呼び出された。

言われることは分かっている。

すでに逮捕から16日が経過し、
未だに自白が取れないのだ。
 
 
20日ほどの間に8件も起きていた放火が、
丸山建業の放火依頼、ピタリと止みました。

すでに25日。やはり三津谷が犯人である可能性が高いかと」

と祐介は言う。
 
 
「最後まで、私にやらせてください 」

「結果を出せ。それだけだ」
 
 
ふと、実桜の言葉を思い出す。
父も生前、同じようなことを言っていた。

「被疑者の口を割らすには、
そいつのことをよく知る必要がある」

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 三津谷の取り調べ

三津谷の取り調べを行う

相変わらず何も反応しない。
 
 
仕方ない。
祐介は三津谷の生い立ちや、絵の話をする。

三津谷がしゃべりだした。
「あの検事は全然わかってねえんだよ」

真佐人のことだ。真佐人は祐介と違って絵心があった 。

だいたい想像できる。真佐人は偉そうに言ったのだろう。
 
 
「この絵のモデルはお父さんですね?」
実桜からもらった画像を見せる。

「仲が良かったんですね」
 
 
「そうじゃねえよ。くそオヤジだ。親なら責任くらい果たせよ」

と父親の悪口を続けた。

あまりにも身勝手な言い分だった。
 
 
彼の父親は、息子のためにだけ生きてきたという感じだった。
過労死と言えるレベルだ。

祐介はつい責めるようなことを言ってしまった。
 
 
「これはアートだ」と三津谷が言った 。

「決まってるだろ?事件だよ」

「全てあなたがやったんですね」
 
 
三津谷がプッと吹き出した
「な~んてな。嘘だよ」
 
 
祐介は思わず、三津谷の胸ぐらをつかんだ。
すんでのところで手が止まった。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 真佐人 vs 祐介

祐介は連続放火の現場を見に行った。

8件目の放火までは、
大惨事になってもおかしくない事件
だった。

だが、9件目の丸山建業は、
他に燃え移る危険性も少なく、ボヤのレベル
だった。
 
 
「事件について話がある」と真佐人に呼び出された。

場所は、事件現場、丸山建業の倉庫だ。

なかなか、何も話そうとしない真佐人
ようやく振り返った

「三津谷の取り調べのことだ。
脅迫めいたことをしただろう?

小うるさい女弁護士を喜ばせるつもりか」
 
 
「あれは俺がまずかった」

だいたい無能だから、そういうことをする

真佐人が続ける
 
 
「あげくの果てに、証拠をねつ造して、
冤罪(えんざい)を引き起こす。

被害者だけではなく、家族にも迷惑をかけて、
冤罪刑事(えんざいけいじ)と永久に言われ続けるんだ

「いわゆる大八木捜査法ってやつだ。そっくりだな」

祐介は切れた。
 
 
真佐人を殴りつけた。

次の瞬間、目の前が白くなった。
 
 
「打たれ強いな。さすがにでかい図体してやがる」

真佐人に殴り返されたのだ。
 
 
わけのわからない乱戦になった。
 
 
最後に喧嘩をしたのは小学生の頃だ。
そういえばいつもこういう乱戦になった。

でも、あの頃、二人の体格はさほど変わらなかった。
 
 
今は違う。

はるかに祐介の方が上だ。

母親に似た綺麗な顔と、華奢(きゃしゃ)な体格。

何故これで互角なのか!?
 
 
祐介の一発が入った。

真佐人は地面に大の字で倒れた

差し伸べた祐介の手を、真佐人は払いのける 。
 
 
真佐人は立ち上がると「発火点だ」と言った。
 
 
「だが、三津谷の真意が、兄貴には見えないんだ。
だから落とせない」

それだけ言って真佐人は出て行った。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 目撃者・久保

祐介は、もう一度、
目撃者の久保に話を聞きに行った。

実桜がしょっちゅう来て
「三津谷以外、現場に誰かいなかったか」

としつこく聞かれているらしい。
 
 
「まあ、あえて言うともう一人おったで

「ああ、男や。火が出る直前、
別のとこで塀に手をかけとった。

帽子を被っとった。

立ちションかと思ったんやが、
中に入ろうとしてたのかもしれん。

わしに気づくと逃げてったわ
 
 
三津谷くんが塀を越えて出てきて、
10分後くらい。火が出る前やった

 
 
塀を乗り越えるところは見ていないという。
 
 
三津谷のことについても聞いてみた。

久保は自分の身の上話を始めた。

小さな建設会社をやっていたが 、
ゼネコンとトラブルになり倒産。

三津谷くんの父親もそうやったらしいわ。
倒産して、子供を食わせるために、

ほれ、そこの丸山建業に勤めとったそうや
過労死かなんかだったそうやな
 
 
久保は、三津谷のことを父親思いだった、と言った

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 連続放火犯

車に戻ると、携帯が鳴った。

新たな放火が起こったのだ。

とうとう一人、人が亡くなった。
 
 
その時、現場にいた安田署長が叫んだ
「本当か・・・!!」
 
 
「男が署に自首してきた。
一連の放火事件全部自分が犯人だと

まさか人が亡くなるとは思わなかったと、
ガタガタ震えているらしい」
 
 
つまり、三津谷ではない。
 
 
祐介は 、自分の刑事としての、
わずかな自信が崩れていく感じがした。
 
 
真佐人もそこにいた。

真佐人が通り過ぎる際に
「これからが勝負だ」と言った。

今更何を言っている?

だが、真佐人は真顔だった。

「三津谷を落とせ、アニキ」

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 三津谷の自白

連続放火犯は、平凡な無職の男だった。
彼は丸山建業以外の、全ての犯行を認めた。

 
 
取調室に入った。

三津谷は入ってくるなり、笑みを浮かべて
「俺がやった」と言った。

 
 
丸山建業はやったが、連続放火の犯人にされるのは
まずいと思ったから、

連続放火犯が捕まったから
自白をしようと思った、
とのことだ。
 
 
丸山建業は、むしゃくしゃしていたから、やったと言う 。
連続放火の一つに見せかけようとした。
 
 
「三津谷さん、嘘はやめてください」と祐介が言った。

丸山建業に火をつけたこと、
連続放火に見せかけようとしたこと、は事実だ。

 
 
だが違うものがある。
 
 
三津谷は倉庫にある酒に、青酸カリを入れたのだ。
 
 
三津谷は丸山社長が時々、
倉庫にある酒を飲みに行っていることを知っていた

だから、あの日、倉庫に侵入して、青酸カリを入れたのだ。

三津谷は以前、化学薬品工場に勤めていた。
 
 
だが、塀を越えて逃げる時に、久保に顔を見られてしまった。

急いで家に戻り、帽子をかぶり、灯油を持って再度侵入し、
火をつけた。

久保が見かけたもう一人の男だ
 
 
すでに、倉庫の酒からは、青酸カリが検出されている。
 
 
「あなたは絵のことについて話していた時、
とても気分が良さそうでした。

でもお父さんのことに触れると、急に怒り出した。
それが、不自然だったんです

自分には絵のことはわかりません。

でもあの絵には、確かな父親への尊敬と愛情がありました。

自分も無念の思いで、父を亡くしていますから・・・」
 
 
やがて、三津谷の両目から涙がこぼれた。

父親が丸山建業で、酷い環境で働かされたこと、
それを訴えても、まるで相手にしてもらえなかったこと

三津谷はすべてを話した。
 
 
そして、三津谷は深く一礼をして、出て行った。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 真佐人の本心

車で地検近くを通りかかった祐介

今回、真相にたどり着いたのは真佐人のおかげだ。
たまには礼を言っておくか

と思った時、一人の痩せた男が駐車場に向かっていた。
真佐人だ。
 
 
「なんだ?」
「言っておきたいことがあったんでな」

といったものの、また悪態をついてしまった。

「ああ?なんだそりゃ」と言って真佐人は車を出す。
 
 
運転する真佐人の手を見た祐介。
右手は内側からハンドルを握っている。

内掛ハンドル。父のクセだ。
 
 
祐介にとって人生の発火点
それは父が職を辞した、あの日だった。
 
 
いつか父の汚名をそそぎたい。

祐介は振り返って

「なあ、真佐人。お前もそうだろ」
とつぶやいた。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 町田 琉太の事故

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 町田 琉太の事故

刑事課の電話が鳴った。

交通事故で車が大破したらしい。

本来、交通課の仕事のはずだが、
電話の相手は「刑事に来てほしい」と言っているようだ。

やむを得ず、有村と祐介が向かうことになった。
 
 
事故現場は細い通りだった。制限時速30 km だが
事故を起こした車は、100 km 超えで走っていたようだ。

車は電柱に正面衝突して大破。
民家のブロック塀も崩れている。

これでは、亡くなったのも無理はない。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 無謀な追跡

交番の所長がやってきた
「すみません。わざわざ来て頂いて」

亡くなったのは、町田琉太という青年です。
年齢はまだ18歳。親の車だったようです

町田は窃盗の常習犯だった。
少年院から出所しても、すぐにまた盗みを働いていた。
 
 
だが、なぜ刑事課が呼ばれたのか?

実はこの町田という若者、
事故の前まで、ウチの警官が取り調べていたそうなんです。

万引きの調書を取っている最中に、逃走したようで...
 
 
つまり取り調べた警官が 無茶な追い方をしたのではないかと?

と有村が聞いた

「それはないと思うんですが、念のため... 」
 
 
調書を取っていたのは、祐介も知っている
加藤博行巡査長だった。

面倒見がよく、人情にあふれた人物だ。
祐介も尊敬している。
 
 
今はちょうど、加藤巡査長が、
遺族のところに報告に
行っているところだった。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 加藤巡査長

そこに「取り調べていた万引き事件、本当に町田がやったんですか」
と声がした。

振り返ると、唐沢検事が立っていた。
 
 
たまたま近くで起きた別の事件を調査をしていて、
偶然、通りがかったという。

真佐人も、別の事件で加藤巡査長に関わったことがある。

「加藤巡査長の性格からして、仕事熱心が高じて、
犯人を追い詰めてしまった、という可能性も
なくはない」
 
 
真佐人はすでに周囲にいる少年グループから話を聞いていた。

彼らは「後でやって来た警官が無謀な追跡をして
町田さんはパニックになったようだ」

と言っていた。
 
 
「まさか」

「もう少し話を聞かせてください。万引き事件についても詳しく」
と、真佐人が介入してきた。
 
 
全員で交番に向かった。

取り調べの最中には、交番には町田と加藤巡査長以外いなかった。

その時の調書はほとんど書かれていない。
書き始めてすぐに、町田が逃げ出したようだ。
 
 
真佐人が車に乗り込む寸前「加藤は怪しい」と言った

「どこがだよ」
「町田は何で、万引き程度で逃走したんだ? 常習犯だろ」

「それだけじゃない。所長の前では言わなかったが
 
 
少年グループは、 加藤は事故現場についても、
すぐに119番通報しなかった
と言っている。

とどめを刺しに、車の中に入った・・・と」
 
 
「まさか」

真佐人の車は出て行った

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 少年グループ

事故から一週間が経った。
祐介は、現場近くのカラオケ店に入った。

隣にはファーストフード店や古本屋などがあって
若者たちのたまり場という感じだった。
 
 
祐介は店員に話を聞いた

「この近くで、よくスケボーをしている
少年グループについてお聞きしたいんです。

気になる証言をしていまして

と言うと
 
 
「あの連中ですか。
あまり、言うことを真に受けない方がいいと思いますよ」

「彼らは、よく問題行動を起こして、
警察の厄介になっているんです。

1年ほど前にはリーダー格の少年が捕まって、
少年刑務所送り
になってるんです。
 
 
あの事故の後も、店で騒いでたんですよ。
『無茶な追跡をしていたって、言ってやった!ザマア』 ってね」

さらに詳しく話を聞く。
 
 
「ただ、連中の話では、事故の後、
警察がすぐに通報せずに、遺体を調べてたって言うんですよ」
 
 
「そのグループと町田さんとはつながりが ?」

「亡くなった町田くんも、何度か店に来ていました。
ただ、少し前に仲間からは抜けたみたいですよ」

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – ドライブレコーダー

祐介は事故現場に戻った。
赤い車が止まっている、実桜だ。

「警察は何でドライブレコーダーの情報を出さないんですか」
と言う。
 
 
確かに町田の車にはドライブレコーダーが設置されていた。
だが、事故の衝撃で故障して再生できなかったのだ。

ドラレコ映像のことと、
加藤巡査長が通報前に車の中に入ったことが少し気になる。

 
 
加藤がドラレコを破壊した?

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 父と加藤巡査長

祐介は、かつて自分も勤務し、
加藤巡査長が勤務する佃川交番に向かった。

「若いのに、不幸な事故だった。

私がもっと町田くんの気持ちをわかってやることができたら、
彼もあんなことは、しなかったかもしれないのに」

と言う。
 
 
町田は以前から非行に走る傾向があり、
悪い仲間ともつながっていた。

「でも、彼はちょっとしたきっかけで変われたはず・・・
私はそう思っているんだ」
 
 
万引きのことについても尋ねてみた。

「ある店から、どうも万引きをししている人間がいるようだ、
と相談を受けていたんだ。

警戒していたところ、町田くんが現れ、店から通報があったんだ。
防犯カメラにも映っている。

仕方なく、取り押さえたんだ 」
 
 
「それと、加藤さん・・・」

事故直後のことについて尋ねようと思ったが、
言い出せなかった。

 
 
交番を後にしようと思った時に、
加藤に呼び止められた。

「川上くん、こちらからも一つだけ聞きたいんだが・・・」
 
 
「ひょっとして君は・・・
大八木警部補の息子さんか?

言葉を返せない。手が小刻みに震えた。
 
 
「私は大八木さんと一緒だったことがあるんだ。
あの人も交番にいただろ?

刑事になってからの活躍を聞いて、
嬉しかったもんさ
 
 
いい人だったよ。本当に。

あの人が冤罪を作り出すなんてありえない。

何かの間違いだ。私が保証するよ
 
 
祐介の頬を、涙がつたった。

感情が溢れ出した。

「誰も・・・誰も信じてくれなかったんです!」
 
 
ひとしきり泣いて、ようやく落ち着いた祐介は

「どうしてわかったんですか?」と聞いた。

確かに顔は似ているが、体格はまるで違う。苗字も違う。
 
 
「話し方だよ」

「口調はまるで違うが、
人の心を知ろうとするときの、雰囲気が似ているんだ。
 
 
それに親父さんが、長男の名前が祐介だと
言っていたことを覚えていたんだ」

しばらく加藤から父の話を聞いた。
 
 
「今日はありがとうございました」と交番を出た。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 冤罪の被害者・西島

翌日は久しぶりの非番だった。

やることもなく、うろうろとしていたが、
またいつものところに来てしまった。
 
 
父の冤罪(えんざい)の被害にあった老人、西島のところだ。

本人に、会ってはいない。

ただ、向かいの喫茶店から、いつも眺めているのだ。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 別のドラレコ

実桜から電話が来た。

町田の両親から、警察の無謀追跡を
明らかにしてほしいと依頼があったのだ。
 
 
「ドラレコを一緒に見てください」と言う。

「修復できたのか?」
 
 
事故のあった通りで、町田の車とパトカーと、
すれ違った車を見つけたのだという。

その運転手に、当時のドラレコ
見せてもらえることになったそうだ。
 
 
ドラレコを見始めた。

運転手の車が、あの細い道に入る。
ゆっくりと走っている。

遠くにライトが光った。

すさまじいスピードで、運転手の車とすれ違った。
町田の車だ。

ごう音が響いた。事故が起きたのだ。
 
 
十数秒してから、加藤巡査長の運転するパトカー
運転手の車とすれ違った。

大したスピードではない。
制限時速をややオーバーした程度だ。
 
 
祐介はほっとした。

無謀な追跡ではない。
 
 
実桜は納得がいかない。

何度も画像を見る。

車に乗っているのは、明らかに町田。

だが、祐介は、あることに違和感を感じた。
 
 
町田は左手をポケットに入れ、右手だけでハンドルを握っている。
あのスピードで、必死で逃げている時に、

どうして片手なのか?
 
 
加藤が運転するパトカーが、かなり遅れてやってきた。
こちらも加藤に間違いない。
 
 
ドラレコ映像は警察に提出された。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 真佐人の確信

真佐人から電話がかかってきた。

ドラレコの映像を見たと言う。

が、 真佐人が言ったのは「思った通りだ。
やはり加藤には後ろ暗いところがあった。」

だった。
 
 
意味が不明な祐介。

真佐人はしびれを切らしたように電話を切った。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 少年たちの話

数日後、祐介は再び、現場近くのカラオケ店を訪れた。

店員に、あの少年グループが来たら、
連絡してくれるよう、頼んでおいたのだ。
 
 
「いいかな?ちょっとだけ聞きたいんだ」

「君らが警察を困らせようとして、
世間知らずのクソ検事に、

適当なことを言ったことは責めない。

本当のことが知りたいだけだ

祐介は両手を組んで少年たちを見回す。
 
 
一人の少年が口を開いた

あれは琉太(りゅうた)のミスだよ。スピードが出てたし

片手で運転してたから
曲がりきれなかったんだと思う」

 
 
「町田くんは、普段から片手運転だったのか?」

「いや、そんなことはないよ」
 
 
「事故後、加藤巡査長はどうした」

「運転席は開かなかったから、助手席のドアを開けて

琉太(りゅうた)の様子を見てたんだよ。

たぶん生きてるか、確認してたんじゃないかな 」
 
 
「琉太(りゅうた)と呼んでいるけれど、
町田くんは、君たちの仲間だったんだな

前はね。でもアイツ仲間を警察にチクって逃げたからな

他の少年が答えた
 
 
そういえば、以前店員が、
グループのリーダーが刑務所に入れられたと言っていた。
 
 
もうすぐ出てくるんですよ。

『琉太の野郎、チクりやがって。出てきたらただじゃおかない』
って言ってましたから」

また別の少年が言った。
 
 
周りの少年達が、余計なことを言うな、という顔をした。

少年たちはそれ以上のことは言わなかった。

不協和音/ドラマの原作あらすじネタバレ – 町田の左手

署に戻ると、祐介は交通課に向かった。

もう一度ドラレコ映像を確認する。
 
 
右手だけでハンドルを握っている町田。
 
 
問題は左手だ。

太いマジックのような黒いものが、
ポケットからわずかにはみ出ている 。

やはりそうか。
 
 
祐介は、加藤に会いに行った。
 
 
町田の事故とは関係のない話から切り出した。

すると加藤が

「どうした?
言いたいのはそんなことじゃないんだろ?」

といった。
 
 
さすがだな、と祐介は思った。
 
 
「町田琉太のことです」

町田は普段、片手運転などしていなかった。
猛スピードで逃げているのに、不自然です」
 
 
祐介は一枚の写真を取り出した。

あのドラレコ映像から撮ったものだ。
 
 
町田が左手を入れたポケット

「加藤さん、あなたが隠そうとしたことは、
拳銃を盗まれたことです。

そして事故後、この拳銃を取り返した
 
 
警察官にとって、拳銃を紛失したり、
盗まれたりすることは、あってはならないタブーだ。
 
 
「町田は以前、不良グループから抜けるために、
リーダーを警察に密告しています。

それは仲間にバレている。
そしてもうすぐリーダーは少年刑務所から出てくる。

町田は護身用に拳銃が欲しかった
 
 
加藤の口元が緩んだ。
「よくわかったもんだ」
 
 
「町田は、あなたから拳銃を奪ったものの、

暴発するのが怖くて、
左手で、銃口を自分の体と違う方向に向けていたんでしょう」
 
 
祐介にはハンドルに思い出がある。
父が、内掛けハンドルだったのだ。

「だからハンドルの握り方には、注意が向くんです」
 
 
「そうか。もう少しで定年だったんだが・・・。
辞職する。決心がついた。君はいい刑事になってくれ」

 
 
祐介は交番を出て、深く頭を下げた。

 
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